先日、日産のリコールについて書いたばかりでまたこのような記事を書こうとは思っても見なかったです。
とても残念でなりません。なぜ?どうして繰り返されるのか?
今日はそんな闇のことを書いてみたいと思います。
今回の神戸製鋼所の事件は、なぜ問題として大きいいのか?
それは、各産業に材料を供給しているからにほかなりません。
自動車産業、鉄道をはじめてして航空機と、安全を最重要視しなければならない産業が多く含まれているからです。
基本的に材料に関しては、発注側ではミルシート(和製英語)と言われる材料証明書を材料メーカーから取って担保しています。
もちろん、メーカーによってはときどき自社の基準に合格するのか一部を検査しているところもありますが、多くは先に述べた方法で材料を担保しているのが現状です。
その材料メーカーの検査数値が改ざんされたということは、全ての前提が根底からゆるぎます。
私も製造業に携わっていた際は、SUS材料を使った加工品を仕入れていたのでそのSUSのミルシートを取っていました。
そのミルシートは、このロットの各金属の比率や引張強度などの検査数値が記載されています。
その担保を元に自社製品の“設計品質を担保”して製造しているのです。
報道によると、10年ほど前から組織的に改ざんしていたとのこと。当然管理職は知っていたことになります。
これほどの組織ぐるみですから、管理職で止まっていたとも思えません。間違いなく、役員クラスの人間も承知していたことでしょう。
そして、これは詐欺罪です。神戸製鋼所といえば、社会人ラグビーでも強豪チームとして有名ですよね。ラガーマンたちも泣いているはずです。
その10年の間にも、世間では様々な品質問題は取りざたされています。記憶に新しい改ざんではフォルクスワーゲン社のディーゼルエンジンの数値改ざんがあります。
その前からも業種こそ違えど、産地偽装など数多く報道されてきました。
それを聞くたびに、神戸製鋼所の改ざんを知っていた人たちは命が縮まる思いだったに違いないと思います。
それだけでなく、罪悪感に苛まれながら勤務しているのでしょう。
この問題は国内だけの問題で片付けられないはずです。これを気に経済産業省などが一斉に勧告を出してもいいレベルだと思います。
産業の根幹である材料の数値が意図的に改ざんされたのですから。
また、経産省だけでなく経団連や中小企業庁、各種団体やISOなどの審査機関と連携をして膿を出してもらいたいと切に切に願います。
そして、今ももこうやって記事を書いている最中もビクビクしている会社や人もいるはずです。
勇気をもって、自社の社長に直訴してください。